大事なことなのでこれだけ先にお伝えしますね。
挑戦は財産になる
あなたが何かに挑戦しようとするとき、周りの人から「やめといた方がいい」「失敗するよ」と言われることがあるかもしれません。その根拠は一体どこからやってくるのでしょうか。
実は、その人達もまた現状維持バイアスによってあなたが変化してしまうリスクを恐れているのです。また、そこにはあなたに成功してほしくないという理由の人もいることでしょう。
今あなたが挑戦しようとしていることに、挑戦したことがない人達が決まって否定するのです。このような人達は俗にドリームキラーとも言われています。
何をもって成功と定義するのかは人それぞれです。反対に何をもって失敗とするのかもしかり。そもそも私は失敗など存在しないと思っています。
何かにつまずいたら、これは「うまくいかなかったというフィードバック」なだけなんですよね。また起き上がればいいのです。挑戦は経験値となり、自分の財産になります。
前置きが長くなってしまいました。
さて、人はやろうと思っていてもつい後回しにしてしまうことがよくありますよね。反対に、やめようと思っていてもなかなかやめられなかったりすることも。
実はこれ、「現状維持バイアス」という心理作用によるものなのです。ビジネスやプライベート、至る所で働きかけています。この心理作用によって、もしかしたら色んなチャンスを逃してしまっているのかも?
現状維持バイアスを克服する4つの方法はこちらです。
- 現状維持バイアスが存在することを認識する
- リスクやメリットを数値化する
- 経験者に話を聞く
- 自分を変えられるのは自分自身と心得る
最終的に一番効果的なのは4つ目の心得です!
それでは順に見ていきましょう。
現状維持バイアスとは
1988年、アメリカの経済学者リチャード・ゼックハウザーとウィリアム・サミュエルソンが提唱したものです。たとえ有益であったとしても、未知のものや変化を受け入れず現状を好む傾向にあるという心理です。
バイアスとは「偏見」や「先入観」を意味します。あまり聞き馴染みのない言葉ですが、心理学用語やビジネス用語として用いられています。
現状維持バイアスとは、「Status Quo Bias(ステイタス・クオ・バイアス)」としてアメリカを中心に認知されている心理的概念である。本来バイアスとは「偏見・先入観」などの偏った見方を表す言葉であり、現状維持バイアスは現在の状態を維持する方向に働く、人が潜在的に持っている心理的効果と言えるだろう。
THE-OWNER引用
人は安定した状態を好む
「普段」という安定性に信頼があるので簡単に変えることができませんよね。人は繰り返しの動作や利用しているものに好感を抱くのものです。
また、保有効果といって、一度所有した物や環境に愛着が湧き価値が高いと感じる性質があります。暴落してしまった株をずっと持ち続けるのも、これに通ずるものがあるでしょう。
人は損失を回避したい
新しいことに取り組もうとした時ブレーキがかかる。皆さん、そんな経験をしたことがあると思います。人は今ある安定した現状を損失するリスクを感じて、それを回避しようという心理作用が働きます。
これは行動経済学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが提唱した「プロスペクト理論」によるものです。変化することを恐れる。保守的な意見に負けてしまう。という心理環境の上で我々は暮らしているのです。
現状維持バイアスによる具体例
では、実際にどんなときにこの心理作用が働いているのでしょうか。日常の中では下記のようなことが挙げられます。
細かく言うと、基本的には常に私たちに働きかけています。ここではわかりやすい大きな具体例を見てみましょう。
初月無料のサブスクに加入し、後日解約していない
携帯電話の契約する際に、初月無料のサブスクが入っていて、後日解約の手続きをしようと思っていたがずるずると引きずって未だに解約できていない。これは現状維持バイアスを利用した立派なビジネスの手段なのです。
転職したいと思っていてもなかなか一歩を踏み出せない
今の職場に満足できてなく、転職しようと思いながらもなかなか動けないことがあると思います。今ある安定した現状を失うリスクが心理作用として大きく働いているのです。
仮にやりたい職種で給料も同等かそれ以上だと条件を出されても、すんなり行動に移すことは難しいでしょう。人はメリットが2倍以上にならないと、現状を打破してまで行動に移すことができないとも言われているのです。
フリーター・第二新卒向け転職支援サービス【安定のお仕事】いつも同じお店に行き、いつも同じメニューを頼んでしまう
これは皆さん、あるあるではないでしょうか。新しいお店に行ってみたいなと思っていても、なんだかんだいつもと同じ店に行き、メニューを眺めるも、食べたことのあるものしか頼みません。
いつもと違うお店に入り、初めてのメニューを注文して、失敗したくないという心理が私たちに働きかけるのです。
有益な新しいサービス提供を受け入れられない
例えば会社に営業マンが来て、計算上10年で元が取れる少し高額なツールの導入を提案されたとします。11年目以降はプラスに転じる見込みです。
とは言え、すぐに買いますとはなりませんよね。既存のツールでの功績があり、今までやってこれた事実もあるので、簡単には変化させることはできません。
身近なものであれば、照明のLED化もそうでしょう。一度費用をかける必要はありますが、長い目で見れば電気代で元は取れます。
現状維持バイアスによるリスク
大きく捉えると、度重なる機会損失となります。この心理作用に操作され続けると、上記の事例からもわかるように、何かを新しく始めることが難しく、また金銭的にもマイナスに働くこともあります。
めまぐるしく変化していく世の中に取り残されてしまうことにも繋がり兼ねません。
機会損失
私たちは日々生活している中で無数の情報に囲まれています。家でテレビを見たり、パソコンでネットサーフィンをしたり、スマートフォンでSNSを見たり。
テレビではニュースや情報番組なら生活に関わること。ドラマでも作中の内容に影響を受けますよね。CMからも自然と情報は入ってきます。パソコンやスマートフォンの使用となると、あなたが興味のある情報がメインとなるでしょう。
周りからの情報を得て、あなたは新しいことに挑戦するチャンスが何回も訪れます。しかし、一度は心が揺れ動き、関心はするものの、実際に行動に移すことは少なくありませんか?
仕事中においても、できる上司の仕事術を会得したいけどなかなか教えを乞うことができない。新規顧客の開拓に一歩踏み出せずにいる等。
現状維持バイアスによって行動を制御されてしまい、新しく変われるチャンスを逃してしまいます。このように数々の機会損失をしてしまうのです。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」とも言います。迷っているなら動いてみてください。
やらなかった後悔は大きい
もし今あなたが変化を求めているのならば、1年後を想像してみてください。まだ同じことを考えているかもしれません。それとも行動に移して新しい自分に出会えているのか。
人はやった後悔よりも、やらなかった後悔の方が後に大きく膨れ上がるのです。また、オーストラリアの介護ヘルパー、ブロニー・ウェア執筆『死ぬ瞬間の5つ後悔』の1つ目に、「自分に正直な人生を生きればよかった」とあります。多くの人が、人生最後の時はこのように後悔するそうです。
偉人の言葉
少ないですが、偉人達の言葉にもこうあります。
現状維持は退化なり
福沢諭吉
現状維持は後退の始まり
松下幸之助
現状維持では、後退するばかりである
ウォルト・ディズニー
…と、口を揃えておりますので、現状維持はリスクであることに間違いないですね。
対策
では、現状維持バイアスと上手く向き合うにはどうすればいいのでしょうか。
この心理作用が働いていることが前提としてあることを理解し、自分自身をコントロールする必要があります。
存在を知る
新しいことに挑戦しようとするときや、現状を変化させようとするとき、一度は必ず踏みとどまるでしょう。こんな時には、今の自分には現状維持バイアスが働いているのだと認識してみましょう。心理作用を払拭し、物事をフラットに捉えることで冷静な判断ができるでしょう。
数値化する
前述した新しいツールの導入について考えてみましょう。100万円の費用をかけて新しいツールを導入し、既存のツール使用時よりも毎年10万円の経費が浮くとなると、10年で元が取れることがわかります。11年目以降はプラスの域に達します。このように数値化することでメリットが明確になります。
ビジネスにおいて仕事をする環境はとても重要です。現状を見直し改善していくことで、プラスに働きかけるのは額面上だけではありません。業務の効率も良くなり、社員の負担も減ります。また、環境を良くしようとするその姿勢が伝わり、社員のモチベーションアップにも繋がることでしょう。
経験者に話を聞く
あなたが今挑戦してみたいことを、既に経験している人に話を聞いてみましょう。正直これが一番手っ取り早いです。良いところも悪いところも自分自身で経験している生の声は、情報として信頼性が強く有益です。
もしあなたの周りに経験者がいなければ、ネットでなんでも検索してみてください。今のこの時代、検索して出てこないことの方が少ないぐらい情報に満ち溢れています。その中から自分に必要な情報を吸収すればいいのです。
周りの人の情報を得ることはとても大事です。人と人の繋がりが人生を豊かにします。
自分を変えられるのは自分自身
あなたの人生の主人公はあなたです。決して他の誰かの意志によって動かせるものではありません。一度、今の人生をRPGに例えてみてください。あなたは今コントローラーを持って主人公(あなた)を自由に動かせます。
序盤、中盤あたりで止まっていませんか?ここでのんびりするのもあなたの自由。経験値を積んでレベルを上げてストーリーを進めていくのもあなたの自由。人生は一度きりです。
誰かに振り回される生き方、やめにしませんか?
諦めることを、やめにしませんか?
自分の意思決定により、自分軸で行動することはとても気持ちのいいものですよ。
まとめ
簡単にまとめるとこんな感じです。
- 現状維持バイアスが働いていることを認識し、一度フラットな状態へ持っていく。
- 数値化することで変化させるメリットを明確にする。
- ヒヤリングや情報収集をして自分に必要なものを吸収する。
- 自分を変えられるのは自分だけと認識し、行動に移す。
できる限り後悔のない人生にしたいですよね。筆者も今チャレンジしていることが後悔にならないよう、日々奮闘中です。人生は一度きりです。せっかくなので深みのある濃い人生を送りたいものですね。
ではまた!
コメント